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てら子屋コラム

インプットとアウトプットを意識した学び
田口智博

 新年度がスタートして、ひと月が経過したところである。春といえば、新たなスタートの季節。そんな中、趣味・スポーツ・勉学・仕事などさまざまなジャンルで新たな活動に取り組み始めた人、もしくは、そうしたことへのチャレンジを考えている人もいるであろう。個人的にも、春は何かしら新たなことへの挑戦のきっかけを与えてくれる季節であるような気がしている。

 ところで、人は日頃の活動の中で、さまざまな経験を積み、多くのことを学んでいる。これは当然のことではあるが、私自身にとって、昨年度、仕事を通して京都で知恵を働かせた経営に取り組む企業の方にお話を伺ったことが、あらためてそのことを認識させてくれる機会となった。また、それとともに、経営者の方が、これまでに得られた経験や学びを、実際の事業において自ずと活かされているということを強く感じることにもなった。

 それは京都でお米屋を営んでいる(株)八代目儀兵衛へ訪問させてもらった時のことである。そこでは生活日常品であるお米をギフトという形で商品化し、ネット上で販売を行い、売上げを伸ばしていた。商品は結婚式の引き出物や出産祝いなどの縁起物として購入される方が多いということを耳にしながら、勉強不足の私はそもそもお米を贈り物にした商品があることをそれまで知らず、その発想の素晴らしさにただただ感心するばかりであった。
そんなアイディアを実現させている社長にお話を聞くと、もともと通販の会社に勤めていたことが、少なからず現在のネット販売による商売に影響を与えているという。社長は「まさか以前勤めていた会社でしていた通販のようなことを、自分がお米屋でするとは思っていなかった。ただ、今では自分がこれまでに経験したことや学んだことしかビジネスに繋がらないと感じている」と話してくれた。

 また、かつては「太物」と呼ばれた麻や綿の織物を扱っている(株)エイラクヤへ訪問させてもらった際、そこでは老舗ならではのストックされたデザインを活かして、手ぬぐいを商品として復刻させることに成功し、それが事業の柱となっていた。今では、複数の自社ブランドを立ち上げ、それぞれのコンセプトに沿ったオリジナリティ豊かな商品が揃う。そして、商品には素材となる生地の製造から一貫して良質なものを生み出すための独自の強いこだわりがある。
 こうした商品づくりでは、社長が以前働いていた自動車関連の製造現場でモノづくりの大変さや厳しさを知り、それが自社での職人さんを大切にした取り組みにつながっているそうだ。ここでも、社長自身がこれまでに経験し、学んできたことが経営に活かされていることが感じられる。

 二つの企業活動を例に挙げたが、こうしたケースに限らず、一般論としてそれぞれ人が経験してきたことや学んできたことは、仕事や遊びなど暮らしのさまざまな場面で活かすことができる可能性を秘めていることは確かであろう。但し、そのためには、私たちが日々の活動の中で経験や学びのインプットを適切に行い、それらをシチュエーションに応じて上手くアウトプットして活かしていくことが必要となってくる。
 まだ新年度は始まったばかり―。そんな意識を頭の片隅に置きながら新たなことにチャレンジすれば、より良い経験や学びにつながり、それらが活かされる機会も増えてくるのではないだろうか。


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