COLUMN

2022.01.11田口 智博

リモートとリアル併用による相乗効果

 遅ればせながら、新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
 
 ここ2年のコロナ禍で、すっかりリモートとリアルを併用した人と人とのコミュニケーションが当たり前となり、そうした使い分けが仕事や学び、その他の活動への好循環を生み出しつつあると実感するところです。

 昨年の仕事の話題で振り返ってみると、オムロン創業者の立石一真創業記念館(※1)の見学会を、社外の方を交えながらリモートとリアル(※2)の両方で行いました。
 こうした施設の見学をリモートで実施するにあたり、「百聞は一見に如かず」という言葉があるように、どこまでリアルに近づけられるのだろうか?という多少の不安がありました。しかし、いざ蓋を開けて実施してみると、参加者からは「バーチャル見学ツアーでは、丁寧なアテンドのおかげでコンパクトに理解が進んだ。今回の見学を予習に、次回はぜひ現地を実際に訪れたい」といった声をもらいました。アテンドいただいた方のプロフェッショナルな対応があってこそですが、リモートとリアルのどちらが良い悪いではなく、2つの異なる手法よって見学への幅が広がり、相乗効果にもつながることが確かめられる機会となりました。

 また、昨年の個人的な学びでは、リモートをメインとした思考開発のプログラムを5ヵ月にわたり受講していました。それは、バックグラウンドの異なるメンバー同士が、社会に対するバイアスを取り払って認識力を高め合い、コレクティブ・インパクトを起こして社会問題解決の事業プランを考えていくというものでした。
 今振り返ると、リモート環境だからこそ、数多くのオンラインでのミーティングで対話を重ねることができました。そこでは、メンバー間の相互理解を図りながら、社会問題を引き起こす矛盾構造を解き明かし、ソーシャルイノベーションへとつながる企画づくりまでをやり遂げました。また、リモートだけでなく、フィールドワークには、ここぞとばかりにリアルにメンバーが集うという、機動性も兼ね備えて取り組めたことは貴重な機会となりました。

 リモートとリアルに関して、昨年を少し思い起こすだけでも、このようにトピックが挙がってきます。同様に、みなさんそれぞれに、こうした変化を体感されていらっしゃるのではないでしょうか。
 2022年は寅年ですが、正確な干支は「壬寅(みずえのとら)」と呼ばれています。壬寅は厳しい冬を乗り越え、新しいステージに向かう準備段階にあたる年と言われるそうで、まだまだコロナ禍が続きますが、新たな成長に向けた動き出しは、より加速していくに違いありません。そうした環境において、変化をしっかりと捉えていくとともに、時には変化を生み出していけるアクションも心掛けていける1年にしたいところです。
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